「カラスの親指 by rule of CROW’s thumb」
(講談社文庫) [文庫]
道尾 秀介 (著)
「相手が騙されたことに気づかない」のが「理想的な詐欺」、「相手が騙されたことを自覚できなければ意味がない」のが「理想的なマジック」。
「詐欺」ではなく「マジック」
その選択こそ、「ミステリ作家・道尾秀介」の計算の鮮やかさを下支えしているものだ。
ハンカチ一閃、オセロの駒が次々裏返り、黒一色となるかに見えた盤面が一枚を残してすべて白に塗り替えられる作者の手つきは、見事なまでに計算し尽くされている。
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