2019年4月14日日曜日

橘玲さんが女性と知らなかった記念。

(『働き方2.0vs4.0 不条理な会社人生から自由になれる』(橘 玲 著)より)

フェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグが「シリコンバレーで書かれたなかでもっとも重要な文書」と称賛したことで一躍注目を集め、爆発的に拡散しました(インターネットで検索すれば日本語訳を見つけることもできます)。そこには
「すべてのポストにもっとも優秀な人材をあてる」
「業界最高水準の報酬を支払う」
「将来の業務に適さない人にはお金を払って辞めてもらう」
「有給休暇を廃止する(従業員の裁量で休む)」
「人事考課制度は時間と労力のムダ」など、
シリコンバレーの企業ですら腰が引けるような言葉が並んでいました。

「ネットフリックスの最高人事責任者だったマッコードは、「会社は、顧客を喜ばせる優れた製品を時間内に提供できるよう努めることを除けば、従業員に何の義務もない」と断言します。  (会社には)従業員に能力を超えた仕事や才能に合わない仕事を引き受けるチャンスを与える義務はない。長年の貢献に報いるために別のポストを用意する義務もない。彼らに遠慮して、会社の成功に必要な人事変更を控える義務も、もちろんない。(中略)  会社は従業員の能力開発に特別な投資を行い、キャリアパスを提示し、高い定着率を維持するために努力する。(中略)でもそんな考え方は時代にそぐわないし、従業員にとってもベストでない。(中略)そういうやり方では、従業員は意に添わない職務や、自分の思っているほど──または上司に求められるほど──うまくできない職務に縛られて、社外によりよい機会を求められない(後略)。」(『働き方2.0vs4.0 不条理な会社人生から自由になれる』(橘 玲 著)より)

『専業主婦は2億円損をする』(マガジンハウス)という本を書いたのですが、発売直後から「炎上」を体験することになりました(なぜ私に白羽の矢が立ったかというと、日本では専業主義批判はタブーとされており、こんな企画を引き受ける女性の著者はいないからだそうです)。

こんな重大なことを国民はまったく知りませんが、それは日本の官僚が世界基準では「低学歴」で、国際社会では相手にされていないことがバレると自分たちの特権がなくなってしまうので、ひた隠しにしているからです。

年功序列・終身雇用の日本企業では、プロジェクトの責任者を外部から招聘したり、中途入社のスタッフだけでチームをつくるようなことができないからです。そのため社内の乏しい人材プールから適任者を探そうとするのですが、そんな都合のいい話があるわけがなく、「不適材不適所」で混乱する現場を長時間労働のマンパワーでなんとか切り抜けようとし、パワハラとセクハラが蔓延することになるのです。
 なぜ労基署は、この違法・脱法行為を是正できないのでしょうか。それは官公庁こそがベタな日本的雇用の総本山で、民間企業を強引に指導すると「だったらお前たちはどうなんだ」とヤブヘビになるからです。事件を批判するマスメディアも同じ穴のムジナで、無意味な説教を繰り返すだけです。

「本書はライター山路達也さんにインタビューをまとめてもらい、それに加筆しました。」

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