2014年1月6日月曜日

やせ我慢は日本人の真骨頂 「天切り松 闇がたり 4」

天切り松 闇がたり 4  昭和侠盗伝
 (集英社文庫) [文庫]
浅田 次郎 (著)

体を張って盗みをするのァ、紙っぺら一枚で人の命をかっぱらうよりよっぽどましだろうが。

俺たちァたしかにお天道様に背を向けた盗ッ人だが、人の命を盗んだためしァ天に誓って一度もねえ。帝大出や士官学校出のおつむの中じゃあ、人の命は紙ッぺら一枚より軽いらしいが、どっこいこの尋常小学校出のおつむじゃあ、どう考えたって命の重さは地球の重さだ。

善悪は数の多寡で決まるわけじゃありやせんぜ。大勢の人間がそうと望むなら、戦争だって善行ですかい。

悪い世間をはっきり悪いと言ってこその善人だ。


解説は前回勘三郎で今回すまけいさん。
体を壊しての朗読劇だったんですね。行けば良かった。
この「やせ我慢」こそが、かつて日本人の気質の美しさや上品さを支えていたと思う。

学校では教えてくれない、大正・昭和の歴史。
日本人はなぜ戦争を選択したのか。

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