2013年10月8日火曜日

「タイタニア2 暴風篇」 田中芳樹

軍閥タイタニア
ありえない失策が積み重なってますが、外に敵がいると団結するので、
やはり組織にとってのアキレス腱は獅子身中の虫でしょうね。


ファン・ヒューリックには実務の才能はあるのだが、現在のところ、構想力がそれに方向性を与えてくれないのである。これまで、彼の才能は課題遂行の形で発現されてきた。タイタニアの艦隊と戦闘せよと命じられて、ケルベロス会戦で勝ち、リラ・フローレンツの復讐をせねばならないと思って、アルセス・タイタニア伯爵を襲殺したのである。
「タイタニアを斃して、その後に何が来るか」
タイタニアに変わる覇王が出現する、というのであれば、生命がけで戦うのもばかばかしい。その人物が権勢をえるために、ファン・ヒューリックが難敵を打倒してやることになる。ばかばかしいかぎりだ。彼はそう思うのだが、奇妙なことに、この男には、自分が覇者になるという発想がないのである。したがって、自分自身のために苦労しようという殊勝さも、この男には無縁だった。
「ヒューリック提督には宿題を出さなくてはだめだな。自分で予習復習する柄じゃないから」

「人類がその発生当初に、正々堂々と戦っていたら、とっくに滅びていただろう」

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