2013年10月23日水曜日

統計的思考は理性との闘い?

ヤバい統計学」 [Kindle版]
カイザー・ ファング (著), 矢羽野 薫 (翻訳)

統計学者の世界観では「稀なことは起こらない」=宝くじは当たらない
でも、毎年何人かは当たっている。

人類の誕生自体が統計的奇跡なので、人類は統計的思考に馴染まない?


統計学者は、統計上の平均という一般的な概念をあまり気にしない。むしろ平均からのずれ、偏差にこだわる。

もちろん、(ディズニーランドの)ファストパスの利用者はこのシステムをとても喜んでいる。では、待ち時間は実際にどのくらい短くなるのだろうか。驚くことに答えは―「まったく短くならない」。ファストパスがあってもなくても、人気アトラクションの待ち時間は同じなのだ。

私としては、因果関係か相関関係かという哲学的な議論は学者に任せておこう(この問題は何十年も議論されている)。

では、統計学者はどこが違うのか。第一の違いはデータの見方だ。大半の人は予想外のパターンだけに注目しがちだが、統計学者はそれらのパターンを背景の中で評価しようとする。

統計的に考えること自体が難しいわけではないが、私たちの脳の「初期設定」は理性的思考になっており、統計的思考に切り替えるためには意識して努力しなければならない。

  1. 平均化を嫌う不満分子―常に「ばらつき」に注目する
  2. 間違っているからこそわかること―真実より実用性を優先する
  3. グループ分けのジレンマ―似たもの同士を比べる
  4. 非対称性がもたらす動揺―2種類の間違いの相互作用に注意する
  5. 「不可能」が起きるとき―稀すぎる事象を信じない

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