2013年10月11日金曜日

親子で同時に読み終わる人がいるんじゃぁという希有な作品

タイタニア4<烈風篇> (講談社ノベルス)
田中 芳樹 (著)

ダメ作者より一言
「センセ、おひさしぶりです」
「やや、君は二十年も前に卒業したタイタニア君ではないか。いまごろ何しに?」
「卒業じゃなくて休学です。その後ずっとセンセが連絡するのを忘れてたんです」
「そ、そうだっけ」
「ホラ、やっぱり忘れてた。こりゃもう裁判モノだな」
「そ、そ、それだけはやめてくれ。まだ年金をもらえる歳じゃないんだ」
「ま、いいでしょ。今度はちゃんと卒業するつもりだから、マジメに教えて単位くださいよ」
「わかった、マジメにやるからカンベンして」
まあそういう作品です。見すてないでいただけたら幸甚に存じます。


「ミランダ、いつかもいったように、ファン・ヒューリックは天才だ」
「そんなことはわかっているさ」
「まあ聴いてくれ、ミランダ。彼は天才だが、残念なことに状況設定型ではない。いわば状況反応型だな。こまったものだ」

全宇宙のメディアは判断をせまられた。損失の数字を見れば、「どちらのタイタニア」が勝ったか明々白々であったが、事実と、認識と、表現とは、それぞれ別のものだ。

「やつらが理解不能なことをしでかしたら、狂気のせいにしておきゃいいのさ」
「狂気か……さて、その判定もむずかしい。無差別に熱線銃を乱射して何十人もの無辜の市民を殺害する者と、計画的に選択して特定の民族だけを虐殺するやつと、どちらが狂気にとりつかれているだろう」
「どちらもさ」
一刀両断しておいて、ファン・ヒューリックは肉視窓に視線を送る。
ナチですな。。。

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